本大会には、シニア個人69名・団体17か国が出場しており、日本からは島﨑もも選手、増本菜花選手、フェアリージャパン団体チームが出場。
今大会には、WCミラノ大会でメダルを獲得した個人のトップ選手たちに加え、団体ではミラノ大会には出場していなかった強豪ブルガリアや、ヨーロッパ選手権を制したスペインが参戦しており、非常にレベルの高い大会となっている。ワールドカップミラノ大会の終了からわずか1週間後の開催となったが、選手たちは疲労を感じさせることなく、むしろより磨きのかかった演技を披露しており、内容の濃い大会が展開されている。
7月25日【個人総合】1日目
今大会には、強化の一環として個人強化選手の島﨑もも選手と、ユニバーシティゲームズ国内補欠選手の増本菜花選手が参加。
今回の派遣は、海外のトップレベルの演技や審判の評価基準を実際に体感し、選手・コーチの学びと成長につなげることを目的としている。
また、国内で活躍する選手たちが、世界の舞台でどのように評価されるかを客観的に確認することも重要な目的の一つである。
その上で、世界の動向や変化を正確に把握し、日本がこれからどのように戦っていくべきかを見極め、強化の戦略を明確にしていく必要がある。
●島﨑もも 個人総合前半順位:42位
《ボール》
得点:25.050(DB 6.8/DA 4.3/A 7.3/E 6.65)
身体難度は比較的クリアに実施でき、冒頭のしっとりとしたステップから、曲調の変化に合わせてスピード感ある動きに移行し、表情豊かに魅せる演技を展開した。中盤では、足投げから側転の背面キャッチというリスクをスムーズに成功させ、勢いを保ったまま終盤まで運ぶことができた。
しかし、ラストの前転リスクで回転と落下のポイントがズレ、大きな落下につながった。これにより1.0の減点、さらにリスクのノーカウント、DAの1つ省略という大きな失点となり、後悔の残る結果となった。顔の表情や体の使い方において成長が見られた一方で、今後はさらにダイナミックさ・スピード感・アピール力を強化していくことが、得点向上の鍵となる。
《フープ》
得点:24.400(DB 7.0/DA 3.5/A 7.0/E 6.9)
冒頭の転がしでは丁寧な実施が見られ、身体難度もクリアにこなしていたが、転がしのDAでアクロバットとのタイミングが合わず落下。その後は落ち着いて立て直したものの、リスクのキャッチがやや不正確になり加点を取りきれなかった。
また、落下後からのステップや表現においてはやや消極的な印象が残り、ラストDAでも不正確な実施が見られた。全体として、音楽の豊かさを十分に表現しきれない内容となり、日頃からの熟練と余裕を持った演技構成の重要性を痛感する演技となった。
2種目を通して、ローテーション難度における不正確さが目立ち、また、体力・集中力・状況への対応力の不足が課題として浮き彫りになった。
明日のクラブ・リボンでは、その場の流れに応じた柔軟な対処力と、最後まで粘り強く諦めない姿勢で挑み、巻き返しを図っていきたい。
●増本菜花 個人総合前半順位:32位
自身初の海外遠征であり、これまで積み重ねてきた経験を糧に、自信を持って試合に挑んだ。
《フープ》
得点:25.500(DB7.0/DA4.1/A7.5/E6.9)
1種目目はフープ。冒頭のリスクからステップまでは丁寧に実施し、続くパンシェとエカルテのバランスでは踏ん張りきり、転がしから脚回し受けのDAも、恐れずにやり切ることができた。しかし、その後のつなぎでややもたつきが出たため、次のDAを回避し、ステップにつなげた。リスクでは投げが大きくなり、受けの際に勢い余って膝をついてしまったが、冷静さを取り戻して演技を継続、ラストは技を変更しながらも音楽に合わせまとめることができた。いつも以上に緊張はあったものの、2種目目への良いイメージを持って終えることができた。
《ボール》
得点:25.450(DB6.3/DA4.2/A7.5/E7.45)
2種目目は適度な緊張感の中でフロアに立ち、冒頭の見せ場となるDAをしっかりと決めた。やや不安を残していた脚受けのリスクにも果敢に挑み、回転は完璧ではなかったものの、しっかりと受けきった。落下は防げたものの、側転受けのリスクで回転不足によるノーカウントの可能性があり、また、加点要素を取り切れなかった箇所もあった。今後は演技の精度をさらに高め、確実性を追求していく必要がある。
明日は、今日の反省をしっかりと活かし、より思い切った演技で挑みたい。
●団体
《種目:リボン(5)》出場選手:鈴木歩佳、稲木李菜子、田口久乃、西本愛実、三好初音
得点:25.300(DB 4.70/DA 7.00/A 7.15/E 6.45)
ミラノ大会からの連戦となった今大会。団体チームは早めに現地入りし、強風が吹き込む会場環境の中で調整に臨んだ。風の影響に苦しみながらも、現地での対策が奏功し、リボン操作に対する強さと安定感を持って本番を迎えることができた。
ミラノ大会の反省を活かし、実施減点が大きかった身体難度2か所を変更。また、審判からの助言も取り入れ、ダイナミックチェンジをより明確に見せるため、振付や踊り方に工夫を加え練習を重ねた。
本番では、冒頭の交換でスティックを取り損ねる場面があったが、瞬時に布部分を掴んで落下を回避。続くCCでは価値が揃わず、複数投げも価値を除いて手投げへ切り替える判断を行ったため、DAの一部が未実施となった。それでも、後半は移動を伴いながらも、手具に喰らいつく気迫を見せ、今シーズンのベストスコアを更新した。
団体総合前半(リボン5)1位は、ヨーロッパチャンピオンのスペイン。曲の世界観に合わせた表現を、表情だけではなく、動き・連係・交換のすべてにおいて体現しており、圧巻の完成度を見せた。
日本は、交換の不成立と移動による実施減点が重なり、1位スペインとの差は1.6点。
DBの持ち点5.9に対し、得点は4.7。落下による交換のミス(0.6)に加え、正確性に欠けた身体難度や交換中の回転で0.6点程度を失っていると予想される。DAは持ち点7.6から、実施できなかった要素を除いた得点を獲得しており、実施できたものはほぼ正当に評価されたと考えられる。
芸術面では、スペインとの差が0.1点まで詰まり、修正を試みた振付・表現の成果が確かに現れた。
しかしながら、今大会の採点はやや甘い傾向に感じられる。世界選手権ではより厳格な採点が想定されるため、すべての要素をより正確に、確実に実施する力が求められる。
明日は総合順位が決まる重要な2日目となる。世界選手権を見据え、日本の意地を示す演技ができるよう、臆することなく挑戦したい。
大会報告:村田由香里





